• Entry Date
  • 2014.10.29

バイオ通信No.1355「緑膿菌の検索」

みなさん、こんにちは。

 

今日は1年生の微生物学実習で行った「緑膿菌の検索」の模様をお届けします。

緑膿菌は、健常者にはほとんど感染することはありませんが、日和見感染を引き起こし、強い薬剤抵抗性を持ち、院内感染でも問題となることがある細菌です。

 

緑膿菌は偏性好気性のグラム陰性桿菌で、莢膜は持たず、極単毛鞭毛を有し、運動性があります。

また、ブドウ糖非発酵菌で、チトクロームオキシダーゼ陽性を示します。

ピオシアニン(緑色色素)とピオベルジン(フルオレセイン、黄緑色色素)などの色素を産生する性質があります。

 

まずは、キングA培地とキングB培地を用いて、緑膿菌の産生する色素の性状を観察します。

 

261003101

こちらが、緑膿菌培養前のキングA(写真上)とキングB(写真下)の両培地です。

 

これで緑膿菌を培養すると ・・・

 

↓↓クリックお願いします

このように色素の産生が見られます。

261003102

261003103

キングA培地(写真上)でピオシアニン、キングB培地(写真下)でピオベルジン(フルオレセイン)の産生が確認できました。

 

ピオシアニンの名前は、膿を示す接頭語 pyo- と、藍緑色を示すcyan に由来します。

ピオシアニンは菌体外に分泌され、緑膿菌が感染した傷口を緑色に着色させますが、これが緑膿菌の発見のきっかけになった包帯の緑変の原因であり、緑膿菌という和名の由来です。

 

NAC培地で緑膿菌を培養すると、写真培地上方のように、コロニーが緑色になり、培地の臭いは、トリメチルアミン由来の独特の臭気を示します。この臭気は「線香臭」や「金属臭」などと表現されることもあります。

261003104

 

チトクロームオキシダーゼ試験も行いました。

滅菌爪楊枝で培地のコロニーから釣菌して、試験紙に塗抹します。

 

261003105

写真ではわかりづらいかもしれませんが、塗抹部分が深青色を呈しているので、陽性です。

 

このときの釣菌は、白金線や白金耳に使われている金属の影響により、偽陽性を示す可能性があるため、白金線や白金耳を使いません。

 

グラム染色を行い、鏡検も行いました。

261003106

 

写真があまりよくありませんが、グラム陰性桿菌であることが確認できます。

 

緑膿菌の検索を通して、多くのことが学べましたね。

バイオ、動物看護ともに緑膿菌について知っていることは、非常に大切です。

この経験をしっかりと記憶し、技術を身につけておきましょう。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://sho-oh.ac.jp/blog/bio/2014/10/%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e9%80%9a%e4%bf%a1no-1355%e3%80%8c%e7%b7%91%e8%86%bf%e8%8f%8c%e3%81%ae%e6%a4%9c%e7%b4%a2%e3%80%8d.html/trackback

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)