湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

  • Entry Date
  • 2013.6.3

バイオ通信No.1162 「毒物劇物取扱者試験模擬問題7」

みなさん、こんにちは!!2013JunHnw.gif

今日は廃棄法に関する問題です。 さあ、いってみましょう!

 

問)次の文は薬物の廃棄法に関する記述である。a~eより適切な薬物を選びなさい。

① 過剰の可燃性溶剤または重油等の燃料とともに、アフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉の火室へ噴霧してできるだけ高温で焼却する。

② 水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし、高温加圧下で加水分解する。

③ 少量の界面活性剤を加えた亜硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合溶液中で撹拌分解させた後、多量の水で希釈して処理する。

④ 希硫酸に溶かし、硫酸第一鉄等の水溶液を過剰に加えて還元した後、消石灰、ソーダ灰等の水溶液で処理し、沈殿濾過する。溶出試験を行い、溶出量が判定基準値以下であることを確認して埋立処分する。

⑤ 不活性ガスを通じて酸素濃度を3%以下にしたグローブボックス内で乾燥した鉄製容器を用い、エタノールを徐々に加えて加水分解し、希硫酸等で中和する。

a. 重クロム酸ナトリウム  b. シアン化カリウム  c. クロルピクリン  d. 四塩化炭素  e. カリウム 

 

↓↓正解を見る前にクリックをお願いします。

(正解)

① d ② b ③ c ④ a ⑤ e

 

(解説)

① 過剰の可燃性溶剤または重油等の燃料とともに燃焼させることから、廃棄したい薬物は燃えづらい薬物(おそらく有機化合物)であることが推測できます。また、アフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉を使用することから、燃焼に際し、有毒ガスが発生しやすいことも推測できます。よって、廃棄したい薬物は、四塩化炭素です。

② 廃棄したい薬物は、シアン化カリウムです。まずは水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とすることにより、シアン化水素の空気中への発生を防止し、その後、分解処理します。

③ この廃棄方法は、分解法です。分解法で廃棄する薬物で最もよく出題されるのは、クロルピクリンです。

④ この廃棄方法は、還元沈殿法です。還元沈殿法で廃棄する薬物で最もよく出題されるのはクロム化合物で、ここでは重クロム酸ナトリウムです。

⑤ この廃棄方法は、溶解中和法です。溶解中和法で廃棄する薬物で最もよく出題されるのは金属ナトリウムと金属カリウムで、ここではカリウムとなります。

 

今回の廃棄法は、パターンをつかむのが重要です。パターンのどれにあてはまるのかがわかれば、見た目よりは思ったほど難しくないと思います。

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