湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

2019年7月25日アーカイブ

わんにゃん通信No.906「血清中AST(GOT)・ALT(GPT)の測定」

みなさん、こんにちは。
今回は動物看護コース2年生が生化学実習にて行いました、「血清中AST(GOT)・ALT(GPT)の測定」についてご紹介します。
 
AST(GOT)、ALT(GPT)とは肝細胞でつくられる酵素で、「トランスアミナーゼ」と呼ばれます。
どちらも、肝臓でアミノ酸の代謝にかかわる働きをしています。
健康な場合においても血液中にもみられますが、肝臓に障害が起こり、肝細胞が壊れると、血液中に流れる量が増え、血中AST(GOT)・ALT(GPT)値が上昇します。
 
通常医療現場では、ドライケムという測定器を使用することで簡単かつ迅速に測定をするのですが、この授業ではこのドライケムの測定方法と同じ原理を用いて、学生自らの手で測定をします。
これまでの生化学実習の回では2人1組で測定を行いましたが、今回は各自1人でAST(GOT)またはALT(GPT)の測定に挑戦しました。
 
はじめに、マイクロピペットを使い、AST(GOT)またはALT(GPT)基準液を0.02ml、0.04ml、AST(GOT)またはALT(GPT)基質酵素液0.5mlをそれぞれ別に分注します。
分注した基質酵素液0.5mlは試薬盲検(ブランク)に使用します。

 
分注したものを恒温槽へ入れ、37.0℃で5分間温めます。

 
5分後マイクロピペットを使いさらに分注を行います。
温めたAST(GOT)またはALT(GPT)基準液0.02ml、0.04mlへ、AST(GOT)またはALT(GPT)基質酵素液0.5mlをづつ入れ、更に発色試液を0.5mlづつ入れます。
試薬盲検(ブランク)に使用する、温めたAST(GOT)またはALT(GPT)基質酵素液0.5mlへ、発色試液を0.5ml入れます。
 
それぞれをよく混ぜ合わせ、正確に20分間恒温槽で温めます。
学生は前回まで2人1組で手分けをして作業ができましたが、今回は各自1人のため時間に余裕が持てるように各自工夫をして操作をしました。
 
20分後、温めた試験管へ反応停止液2mlを入れ、酵素反応を止めます。
 
写真左がはじめの操作でAST(GOT)基準液0.02ml、右が0.04ml入れた試験管です。

 
試薬盲検(ブランク)を基準に、吸光度を測定し、グラフを作成します。

 
さらに、学校で飼育する動物から採血した血清(検体)を使い、上記と同じ原理で吸光度の測定を行います。
最後に先に作成したグラフを用いて、検体吸光度より血中AST(GOT)またはALT(GPT)濃度(IU/L,25℃)を算出します。

 
初めての各自1人での生化学測定のため心配をしていましたが、みんなしっかりと理解をし、手際よく作業ができていました。
生化学実習の授業も残りわずかです。
最後にしっかり復習をしておきましょう。
 
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