湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

  • Entry Date
  • 2012.11.19

バイオ通信No.1082 「鼻腔内ブドウ球菌の検出 その2」

微生物学実習で行った鼻腔内ブドウ球菌検出の続きをお届けします。Hnw2012Nov.gif

前回、マンニット食塩培地で自分の鼻腔内ブドウ球菌の検出を行いましたが、今回はコアグラーゼ試験(試験管法)を行い、黄色ブドウ球菌か、表皮ブドウ球菌かを鑑別します。

241107101.jpg

このバイアルの内容物が、コアグラーゼ試験に使用するウサギプラズマです。

241107102.jpg

無菌的に採血されたウサギ血液から作られ、凍結乾燥(freeze dry)されたものです。

凍結乾燥品なので、粉末であることが解りますね!

これに滅菌生理食塩水を加え溶解して、使用します。

↓↓クリックお願いします


ウサギプラズマ溶液を滅菌試験管に分取して、そこに被検菌を混合します。それを37℃でインキュベーションします。

すると・・・

被検菌Aを入れた試験管は、試験管を大きく傾けると水と同じように流れますが・・・
241107103.jpg

241107104.jpg

被検菌Bを入れた試験管は、ゼリーのように動きません。
241107105.jpg

241107106.jpg

コアグラーゼは黄色ブドウ球菌によって産生される特有の酵素です。表皮ブドウ球菌は、これを産生しません。つまり、被検菌Bが黄色ブドウ球菌であることがわかります。

コアグラーゼには、菌が増殖する過程で菌体外に分泌される遊離コアグラーゼと菌体成分の一部として細胞の表層部に存在し、菌体外には分泌されない結合コアグラーゼの2種類があります。今回の試験管法では、遊離コアグラーゼが試験の対象となります。

では、なぜウサギプラズマが凝固するのでしょうか?そのメカニズムは、今のところ、はっきりわかっていません。

しかし、黄色ブドウ球菌が産生したプロスタヒロコアグラーゼが、プラズマ中のある因子によって活性スタヒロコアグラーゼとなり、これがフィブリノーゲンをフィブリンに変化させ、凝固が起こると考えられています。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://sho-oh.ac.jp/blog/bio/2012/11/no2-3.html/trackback

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)