湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

  • Entry Date
  • 2017.9.20

バイオ通信No.1767「モノクローナル抗体の作製・細胞融合」

バイオコース2年生の免疫化学実習では「モノクローナル抗体の作製」が始まりました。
7月の終わりからマウスへ免疫を開始しました。
 
今回は細胞融合です。
 
免役したマウスの脾細胞(抗体産生細胞)を無菌的に取り出し、ミエローマ細胞(ガン細胞)と融合しました。
脾細胞とミエローマ細胞をカウントして、10:1で混ぜて遠心します。
 
アスピレーターで培地を取り除きます。

 
ポリエチレングリコール(PEG)1mlを1分間かけて細胞へ加えていきます。
PEGは細胞膜の脂質二重層構造を部分的にかく乱し、流動性を高めて膜融合を容易にします。
 

次に培地10mlを5分間かけて加えていき、PEGを希釈していきます。
1滴加えては、混ぜての繰り返しです。
 

希釈が終わったら遠心し、HAT培地に再浮遊させます。
 
96ウエル培養プレートに分注して培養開始です。

 
2滴づつ、慎重に分注していきます。

 
脾細胞とミエローマ細胞を融合すると、脾細胞と脾細胞、ミエローマ細胞とミエローマ細胞、脾細胞とミエローマ細胞、の3種類の融合細胞が出来ます。
必要なのは、脾細胞とミエローマ細胞の融合細胞だけです。
 
必要ない融合細胞を排除する方法がHAT選択です。
HAT培地にはヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンが添加されています。
 
脾細胞同士の融合細胞は寿命により1~2週間で死滅します。
使用するミエローマ細胞はサルベージ経路欠損株なので、HAT培地中のアミノプテリンによってde novo経路が使えないため、ミエローマ細胞同士の融合細胞は死滅してしまいます。
 
脾細胞とミエローマ細胞の融合細胞は脾細胞由来のサルベージ経路を使って生存することが出来ます。
たくさん、融合細胞が出来ますように(^o^)
 
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