湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

Tag Archives: 糞便検査

わんにゃん通信No.1237「糞便検査1年生」

こんにちは。

寒い日が続きます。長野のほうでは、雪が降ってるなんて話も耳にしました。

 

動物看護コース1年生の動物臨床検査学実習 Ⅰ にて糞便検査を実施・・・

遠心沈殿法の「ホルマリン・エーテル法」という手技で虫卵を検出しました。

 

水よりも比重が重たいものを試験管の底に沈ませて採取する方法ですので、すべての虫卵が検出できます。

今回は複数感染している猫の便から虫卵を探しました。

 

上の写真の中の大きい虫卵は壺型肺吸虫の虫卵です。

そして、似たような色形した小さい虫卵はマンソン裂頭条虫の虫卵です。

似ているので間違いやすいですが、学生達はしっかり大きさを測ったり、卵殻の薄さを見たりして見極め、報告をしてくれました。

 

こうした結果をみることで、その動物の生活環境や食事内容が分かる場合もあります。

今回、壺型肺吸虫とマンソン裂頭条虫の複合感染ということで、この2種の中間宿主はカエルになります。

この便をくれた猫ちゃんは、頑張ってカエルを捕獲して食べたんですね・・・

 

良いタイミングでクリスマスツリー感のある置物を頂きました。

なんとそれがカエル!笑

 

運命を感じます。

検査結果からストーリーを妄想するのも楽しいですね。

1年生は検査方法をしっかり覚えておきましょう。

 

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わんにゃん通信No.1202「糞便検査~脂肪・炭水化物」

こんにちは。

動物看護コース2年生の動物臨床検査学実習Ⅱでは、染色液を使用した糞便検査を実施しました。

 

今までの糞便検査は、寄生虫の感染の有無や腸内細菌の状態を観察することをやってきました。

今回はズダンⅢとルゴールという染色液を使い、便の中に脂肪や糖質(デンプン)が混じっていないかを調べます。

これらの有無を調べることで、消化機能の状態や消化液の分泌が正常に行われているかが分かります。

 

今回は染色後の変化を観察してもらうため、実習前に学校犬の便にオリーブオイル(脂肪)と片栗粉(デンプン)を混ぜたものを用意。

ご飯前に読まないほうがいいブログになってしまいそうですが...

 

スライドガラスの上に「生理食塩水」「ズダン」「ルゴール」で溶かした便をセットし、鏡検します。

 

ズダンⅢで染色された検体は、脂肪がこのように見えます↓

オレンジ色が脂肪です。

 

糞便の中に脂肪が見えるということは、消化液中の脂肪分解酵素リパーゼが減っている可能性があります。

膵臓の疾患が疑われるかもしれません。

 

ルゴールはこんな感じ↓

黒紫色に見えるのがデンプンです。

 

糞便の中にデンプンが見えるということは糖質の吸収・消化障害があるかもしれません。

今回は意図的に仕組んだ検体を観察してもらいましたが、今後別の検体で調べてみましょう。

 

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わんにゃん通信No.1091「ホルマリンエーテル法」

みなさん、こんにちは。

動物看護コース1年生が動物臨床検査学実習Ⅰで糞便検査を行いました♪

 

今回は「ホルマリンエーテル法」で、野良猫の糞便検体内の寄生虫を検査しましたのでご紹介します。

これにより、糞便内の寄生虫卵を集めて、検出しやすくします。

 

はじめに、少量の糞便を試験管に入れます。

 

濃度10%のホルムアルデヒド5mLで溶解します。

 

コーヒー牛乳色ぐらいに溶解しましょう

 

更にジエチルエーテル2mLを加えます。

 

試験管の口にフタをして、30秒間上下に振り、よく混和します。

 

遠心分離器で3分間分離します。

 

試験管内の混和液が遠心力により、物質ごとに分離されます。

重い物質ほど底に貯まります。

 

試験管をひっくり返し、上澄みを捨てます。

 

試験管の底にわずかに残った糞便を顕微鏡で検査します。

 

マンソン裂頭条虫卵を検出することができました!

 

糞便検査には様々な検査方法があります。

検査方法によって検出しやすい寄生虫の種類が異なります。

これからも様々な検査方法を覚えていきましょう♪

 

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