湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

応用生物科学科&愛玩動物看護学科BLOG

2024年 9月アーカイブ

バイオ通信No.2925「植物細胞融合 その1」

みなさん、こんにちは。

 

1年生の細胞組織学実習で、

植物プロトプラストを作製しました。

 

プロトプラストとは、

細胞壁のある細胞から細胞壁を取り除いた細胞(原形質体)をいいます。

 

細胞壁のある細胞を細胞融合するときには、

細胞壁があると融合できませんので、

あらかじめ細胞壁を取り除いておかなければなりません。

 

そのため、酵素により細胞壁を分解して、

プロトプラストの状態にするのです。

 

まずは植物プロトプラストの作製に使う試薬調整から・・・

 

卒業生をご採用いただいている、

ヤクルト本社製の「マセロザイムR-10」と

「セルラーゼオノヅカR-10」を使用します。

 

「マセロザイムR-10」は、

植物の細胞と細胞を接着している接着物質を分解して、

細胞を単離する酵素です。

 

「セルラーゼオノヅカR-10」は、

植物細胞の細胞壁を加水分解する酵素です。

 

これらを使って、

植物プロトプラストを作製するための酵素液を調整します。

 

ですがこれらは酵素なので、

その調整にはいくつかの配慮が必要です。

 

まず第一に氷冷しながら、

調整すること・・・。

 

氷冷といっても、氷だけで冷やすのではなく、

冷却効率を上げるために、氷水で冷やしましょう。

 

次に泡立てないように穏やかに撹拌しながら、

調整すること・・・。

 

酵素の失活を極力防ぐために、重要です。

 

そして、特別な指示がない限りは、

酵素は最後に入れること・・・。

 

デリケートな酵素を扱うときには、

やはり扱い方に注意が必要ですね。

 

そして、酵素液を保存するときには、

調整後すぐに濾過滅菌して、

1回分ずつ分注、冷凍保存しておきます。

 

ちなみに今回の酵素液は、

細胞単離酵素である「マセロザイムR-10」と、

細胞壁分解酵素である「セルラーゼオノヅカR-10」を

混ぜた酵素液なので、

酵素反応をワンステップで行う一段(階)法で利用する酵素液となります。

 

一方、第1ステップで細胞単離を単離させ、

第2ステップで細胞壁を分解する二段(階)法という方法もありますが、

この場合には細胞単離酵素と細胞壁分解酵素を別の酵素液として調整する必要があります。

 

いずれの場合も、

できてくるのは細胞壁の無いプロトプラストなので、破裂しないように、

酵素液にはソルビトールやマンニトールを加えて高張液としておく必要があります。

 

だいぶお話が長くなってしまいましたので、

続きは次の機会にいたします。

 

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バイオ通信No.2924「卒業生が顔を出してくれました!」

応用生物科学科

第23期卒業生(2011年3月卒)のWJさんが、

学校に顔を出してくれました。

 

写真左がWJさんです。

 

take先生と久しぶりに再会して、

学生時代の話に花を咲かせているようでした。

 

WJさんは現在、

株式会社明治 明治イノベーションセンターに勤務されています。

 

日々の仕事にやりがいと誇りを持って、

邁進されているようです。

 

卒業生が学校を訪ねてくれて、

その活躍を垣間見ることができると、

とても嬉しく思います。

 

WJさん、機会がありましたら、

また学校にいらしてください。

 

ありがとうございました。

 

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わんにゃん通信No.2020「動物臨床看護学実習②」

みなさん、こんにちは。

 

動物臨床看護学実習の授業の様子をご紹介します。

 

今回は、1つの事例に対して、

疑われる病気やそれに対する治療法、

改善策などを調べて発表してもらいます。

 

自分で調べて発表するための資料をまとめました。

 

前回は2人での作業でしたが、

今回は1人で調べて、

資料を作成し、発表をします。

 

資料作りや発表のやり方など、

準備を頑張っていました。

 

作製した資料を見せて発表している様子です。

イラストや写真を使用して分かりやすい発表をしています。

 

以前に比べて、

作成した資料のクオリティーが上がってきています!

 

発表者の良かったところをあげてもらい、

発表者にフィードバックしました。

 

様々な疾患に対する治療法、改善策を自分で調べることで、

知識が身についてきています。

 

また、パソコン操作や発表スキルも上達してきています。

この調子で3・4期の授業も頑張っていきましょう!

 

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わんにゃん通信No.2019「動物臨床看護学実習①」

みなさん、こんにちは。

 

動物臨床看護学実習の授業の様子をご紹介します。

 

この授業では、犬種や猫種、

それぞれの動物種でなりやすい病気などについて勉強しています。

 

また、動物病院で必要な問診票やカルテなどを

自分なりに作成してもらいます。

 

飼い主様に聞くべきことは何かを自分で考えて、

作成してもらいました。

 

親しみやすくするために絵を入れたり、

書きやすいデザインにしたりと奮闘していました。

 

授業の最後には、パワーポイントを使用して、

2人1組で猫種について発表しました。

 

学生が作成したワードやパワーポイントを、

ファイルにまとめました。

 

それぞれの個性が活かされたファイルになりました。

 

パソコンを触る機会があまりないと思うので、

今回の授業で基本的なパソコン操作ができるようになってくれたら、

うれしいです☺

 

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バイオ通信 No.2923「細胞工学実習・継代」

2年生の細胞工学実習で

細胞培養を始めました。

 

起こした細胞の倍加時間が20時間なので、

2日に1回お世話をします。

 

培地、PBS、トリプシンを37℃恒温槽で温めます。

 

細胞を観察して、

どれくらい細胞が増えているのか判定します。

 

理想は80%confluent 程度です。

 

細胞数が少なくても、

一か所に固まって増えているときも継代を行います。

 

培養フラスコ底面の細胞の割合を5か所以上判定、

平均して全体の細胞数を求めます。

 

細胞の記録は写真に残します。

ピント合わせが難しいです。

 

細胞数が決まったら作業開始です。

培地を取り除き、細胞表面をPBSで洗います。

 

細胞に直接溶液を当ててしまうとはがれてしまうので、

注意しながら溶液を加えます。

 

トリプシンを加えて、

細胞を培養フラスコ底面から剥がします。

 

反応後、細胞が剥がれているかどうかは

倒立顕微鏡で観察します。

 

細胞のふちがキラキラして丸くなってきたらOKです。

 

培地を加えてトリプシンの反応を止めて、

ピペッティングにより細胞をバラバラにします。

 

泡立てないように気を付けて行います。

 

2日後に8割になるように、

2割分の細胞を新しい培地の入った培養フラスコへ移し、

再び培養を開始します。

 

細胞培養が始まると細胞が中心ですので、

放課後、土曜日などお世話が欠かせません。

 

大変ですけれど、

ちゃんと行えばちゃんと増えていきます。

 

手順をしっかり覚えて、

細胞にストレスを与えないように作業していきましょう。

 

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