1年生の微生物学実習で、腸内細菌の同定を行いました。
BTB乳糖寒天培地、DHL寒天培地、SS寒天培地へ未知検体を培養しました。
菌の種類によって培地の色の変化が違います。
BTB乳糖寒天培地は、乳糖分解菌と乳糖非分解菌が区別できます。
乳糖を分解すると酸が産生されるので、培地が緑から黄色へ変化します。
分解できないと代わりにペプトンを分解して、
アンモニアを産生するので、青色に変化します。
SS培地は選択培地で、サルモネラ属菌と赤痢菌の検索用培地です。
DHL培地も選択培地で、
腸内細菌科の乳糖・白糖分解菌と非分解菌を、区別することが出来ます。
SS、DHLでは硫化水素産生菌を判別することもでき、
硫化鉄を形成すると黒色コロニーが見られます。
観察後はBTB培地から斜面培地へ植菌します。
37℃ふ卵器で培養します。
斜面培地へ植菌した同じ菌をスライドグラスへ釣菌し、
グラム染色します。
顕微鏡で観察して、グラム陰性桿菌であることを確認します。
腸内細菌はグラム陰性桿菌、
通性嫌気性菌、
ブドウ糖を発酵的に分解する、
硝酸塩を亜硝酸塩に還元する、
チトクローム・オキシダーゼ反応が陰性、
普通寒天培地によく発育するという性状を備えています。
今回の培地3つでかなり絞られたと思います。
次は確認培地を使って培養します。