みなさん、こんにちは。
今日は、2年生バイオコースが行っている「発酵実習」の模様をお届けします。
この実習は今まで学んできたバイオ基礎技術をもとに、各々が考えながら実習を組み立てていく、応用的な内容です。
今回はこの実習の一部である「天然酵母の分離」の実習をご覧いただきます。
まずは、この試験管に入っているものは、何だと思いますか?
これは、くだものや花に付着している、または発酵食品などに含まれている酵母を見つけているところなのです。
学生各々が酵母が存在しそうなサンプルを用意し、実験します。
酵母を探すんだというのに、ヨーグルトだ、納豆だと培養している人もいましたが、それがわかっていて行うのは、この実習ではOKです。学生個々の知的好奇心は、大切にするのがこの実習のモットーです。
液体培地に抗生物質を加えて、細菌の増殖を抑えながら、酵母を見つけます。
培地づくりや抗生物質をどのくらいの濃度で加えるのかも、自分たちで考えながら調製します。もちろん、器具の準備や滅菌も自分たちで行うのです。
その他の液体培地でも、沈殿らしきものが見られたり、泡の発生が見られるなど、こちらも何らかの微生物が増殖していることが推測できます。
しかし、酵母かどうかはこれではわかりません。
次に滅菌パスツールピペットで培養液を一部分取してみて・・・
その培養液を鏡検してみます。
このようなものが見られます。ミクロメータで菌体の大きさを測定して、酵母の一般的な大きさと一致しているかも確認しておきます。
また、酵母に特徴的な増殖様式である出芽をしている菌体を探します。
ピントがずれてしまっていますが、写真右端中央などに出芽している菌体が見られます。
カビが増殖してしまっている培養液では、菌糸が見られます。
拡大すると・・・菌糸に隔壁があるのが見られます。隔壁があるということは・・・
「はい、バイオコース2年生答えて!!!」
こちらは抗生物質の濃度を間違えて、低濃度でしか加えていない培地のものです。
写真ではわかりづらいですが、とても小さく多様な細菌が無数に見られます。
これはいわゆる失敗ですが、鏡検していると、これは違った意味で、とても興味深い世界です。
酵母が見られた培養菌液から一部を釣菌し、平板培地に塗抹して、分離培養を試みます。
これを30℃のインキュベータで培養!!!
培養後にどのようになったかは、次回、お届けしますね。
お楽しみに・・・