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バイオ通信No.1355「緑膿菌の検索」

みなさん、こんにちは。   今日は1年生の微生物学実習で行った「緑膿菌の検索」の模様をお届けします。 緑膿菌は、健常者にはほとんど感染することはありませんが、日和見感染を引き起こし、強い薬剤抵抗性を持ち、院内感染でも問題となることがある細菌です。   緑膿菌は偏性好気性のグラム陰性桿菌で、莢膜は持たず、極単毛鞭毛を有し、運動性があります。 また、ブドウ糖非発酵菌で、チトクロームオキシダーゼ陽性を示します。 ピオシアニン(緑色色素)とピオベルジン(フルオレセイン、黄緑色色素)などの色素を産生する性質があります。   まずは、キングA培地とキングB培地を用いて、緑膿菌の産生する色素の性状を観察します。   261003101 こちらが、緑膿菌培養前のキングA(写真上)とキングB(写真下)の両培地です。   これで緑膿菌を培養すると ・・・   ↓↓クリックお願いします このように色素の産生が見られます。 261003102 261003103 キングA培地(写真上)でピオシアニン、キングB培地(写真下)でピオベルジン(フルオレセイン)の産生が確認できました。   ピオシアニンの名前は、膿を示す接頭語 pyo- と、藍緑色を示すcyan に由来します。 ピオシアニンは菌体外に分泌され、緑膿菌が感染した傷口を緑色に着色させますが、これが緑膿菌の発見のきっかけになった包帯の緑変の原因であり、緑膿菌という和名の由来です。   NAC培地で緑膿菌を培養すると、写真培地上方のように、コロニーが緑色になり、培地の臭いは、トリメチルアミン由来の独特の臭気を示します。この臭気は「線香臭」や「金属臭」などと表現されることもあります。 261003104   チトクロームオキシダーゼ試験も行いました。 滅菌爪楊枝で培地のコロニーから釣菌して、試験紙に塗抹します。   261003105 写真ではわかりづらいかもしれませんが、塗抹部分が深青色を呈しているので、陽性です。   このときの釣菌は、白金線や白金耳に使われている金属の影響により、偽陽性を示す可能性があるため、白金線や白金耳を使いません。   グラム染色を行い、鏡検も行いました。 261003106   写真があまりよくありませんが、グラム陰性桿菌であることが確認できます。   緑膿菌の検索を通して、多くのことが学べましたね。 バイオ、動物看護ともに緑膿菌について知っていることは、非常に大切です。 この経験をしっかりと記憶し、技術を身につけておきましょう。