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2年生臨床化学実習<実習④:臨床酵素>について紹介します。
■臨床酵素(血清酵素)の診断への利用
血液(血清)中には多くの酵素が微量に存在しているが、疾病時にはその濃度に増減が生じます。疾患との関係で測定される血清酵素を臨床酵素といい、『疾患部位や細胞傷害の程度』の指標となります。
■ALP(アルカリホスファターゼ)とは
実習で測定したALPは肝臓と骨に多く含まれるので、その異常により血液中で増加します。 特に、結石や腫瘍によって胆道が詰まって胆汁が肝細胞に逆流した場合に、あるいは酵素誘導により肝細胞でのALPの合成が亢進した場合に、基準値を超えて異常高値となります。
■どのように検査するのか
血液を採取して血清分離し、自動分析装置で測定します。酵素濃度は蛋白質量としては微量なので反応速度を測定します。0次反応条件下で、酵素の反応初速度V(≒Vmax)を測定することで酵素濃度[E]の定量が出来ます。
実習では酵素反応速度測定装置〔写真の恒温セルを有する分光光度計にレコーダーを接続したもの〕を用いて行いました。測定原理は4-ニトロフェニルリン酸を基質とする方法、単位は国際単位〔IU/L〕で表示しました。