2018年7月4日アーカイブ

最新の臨床微生物検査

Sです。

 

今日は臨床微生物検査における最新技術についてお話したいと思います。

 

質量分析法による同定

マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI - TOF MS)と呼ばれる機器による同定が近年注目されています。

あまり聞き慣れない人もいるかと思いますが、質量分析計というのは2002年に島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞した技術を用いて開発されたものです。

そして、これを応用して作られたのがMALDI-TOF MSです。

 

通常菌種の同定は検体より分離培養を行い、そこから得られたコロニーに対して、様々な検査を行うことにより同定を行っています。このため、菌種が同定されるまでに2~3日は必要となってきます。

これに対しMALDI-TOF MSでは、検体より分離培養したコロニーを用いておよそ10分程度で菌種の同定が完了するため、1日で菌種の同定が可能になってきます。さらに血液培養ボトルに至ってはボトルから直接質量分析を行うことも可能であり、これにより菌種同定にかかる時間が大幅に縮小されます。これにより緊急を要する敗血症患者などに対しては、早期に適切な抗菌薬を投与することができるため非常に有用な方法・装置なのです。

 

ですが、1台3,000~3,500万円程度と非常に高価な分析装置であり、簡単に導入できる物ではありません。

しかし、2018年4月にMALDI-TOF MSで同定を行った場合、保険点数40点の加算が認められたため、今後の普及の後押しとなれば良いのですが。

 

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