湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

臨床検査技術学科BLOG

  • Entry Date
  • 2012.5.25

臨床化学実習

Wです。MayWnb.gif

2年生臨床化学実習(①~③の3回分)の様子をお知らせします。
臨床化学(生化学)検査とは電解質・糖・蛋白・酵素・脂質などの血液化学成分を定量分析する分野です。

↓↓クリックお願いします


■実習①:血糖
糖尿病の診断指標の1つである『血糖値』をグルコース酸化酵素〔GOD〕法で測定しました。空腹時血糖値≧126mg/dLで糖尿病型とされ、さらに糖尿病症状(口渇, 多飲,多尿,体重減少)があれば糖尿病と診断されます。

■実習②:蛋白質
総蛋白(TP)をBiuret法、アルブミン(ALB)をBCG法で測定し、A/G比(ALBをグロブリンの値で割った値)を計算で求めました。

機能障害〔肝炎・肝硬変〕による蛋白合成低下や腎機能障害〔ネフローゼ〕による尿中への蛋白漏出などで、ALBが低下するとA/G比が低下します。また、
感染症や多発性骨髄腫などグロブリンが増加する状態でもA/G比が低下しますので、病気のときは通常A/G比は低下すると考えられます。

 
■実習③:蛋白分画

ルロース・アセテート膜電気泳動法による血清蛋白分画を行いました。血清中の蛋白はそれぞれ異なる電気的性質(等電点)を有しており、その結果、陽極側か
らアルブミン,α1,α2,β,γ分画と呼ばれる5つのグループに分離(5分画)されます。青く見えるのは移動度のマーカーです。

2011年05月30日_P1020850.JPG 2011年05月30日_P1020851.JPG

電気泳動後、赤い色素(ポンソー3R)で蛋白染色を行い[左下]、デンシトメータ-という濃度計を用いて各分画の量〔%〕と泳動パターン(濃度曲線)[右下]を求めました。

2011年05月30日_P1020852.JPG 2011年05月30日_P1020853.JPG

上から 検体①血清 /②血漿 /③溶血血清 /④保存血清

左側が陽極で右側が陰極です。陽極側で最も赤く染まっている分画がアルブミン分画(総蛋白の60~70%)です。この各分画の増減をみることで、総蛋白の定量では見えてこなかった蛋白動態を大まかに把握して、病態の理解に役立てることができます。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://sho-oh.ac.jp/blog/medi-tech/2012/05/1godmgdltpbiuretalbbcgalbalbagagag126070.html/trackback

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)