湘央医学技術専門学校・湘央生命科学技術専門学校

臨床検査技術学科BLOG

2019年1月25日アーカイブ

好きな細菌

こんにちは、吉川です。

 

最近(細菌)よく学生さんから、好きな細菌は何ですか?と聞かれます。

私は色々な細菌が好きですが、数多くの最近の中で最も好きな菌種がBacillus属になります。

 

Bacillus属は、枯草菌(Bacillus subtilis)、食中毒の原因菌となることがあるセレウス菌(B.cereus)、炭疽の原因菌である炭疽菌(B.anthracis)、腐そ病菌(B.larvae)などを含み、現在(LPSN)では約300種、7種の亜種が登録されています。

 

Bacillus属菌は、芽胞を形成する菌で、その為熱や乾燥に対する抵抗性が強く、通常100℃の高温にも耐える為、滅菌・消毒には注意が必要な菌種です。

 

好気性または通性嫌気性の有芽胞菌で、新鮮分離株ではグラム陽性を示すが、菌が古くなるとグラム染色性が不定または陰性に染まる場合が有ります。

同じく代表的なグラム陽性有芽胞菌にClostridium属という菌が居ますが、この菌は嫌気性菌なのでそこがBacillus属との鑑別・相違となります。

 

そして、カタラーゼ試験では殆どの菌が陽性で、至適温度は菌種により異なり、5~60℃と幅広いです。

主にヒトに病原性を示す菌種にB.anthracisB.cereusがあります。

炭疽菌(B.anthracis)は炭疽の病原体で人畜共通感染症であり、四類感染症として届け出が必要な菌種になります。

 

日本ではバイオセーフティレベル3に分類され、バイオテロの危険があることから二種病原体等にも指定されており、所持等の許可も必要となっています。

この菌は、1.5~3μmのグラム陽性桿菌で、鞭毛を持っていない点が他のBacillusと異なります。

 

通性嫌気性で普通寒天培地や血液寒天培地で37℃に急速に発育します。

コロニーは、血液寒天培地上では直径2~5mmの大きさで、非溶血性粘着性があり、辺縁が縮毛状の集落(メズサの頭様コロニー)を形成します。

生化学的性状のみでは菌種の同定に至らないため、アスコリテスト、パールテスト、γファージテストなども実施することもあるそうです。

 

セレウス菌(B.cereus)は土壌、空中、水などの自然環境に広く分布しているグラム陽性の桿菌になります。

短径が1.2μmのグラム陽性桿菌で、中央に芽胞を形成します。

B.anthracisとほぼ同様の形態を示すが、莢膜を欠き運動性を有する点で鑑別できます。

 

通性嫌気性で、普通寒天培地や血液寒天培地に発育し、指摘発育温度は30℃前後、ヒツジまたはウマ血液寒天培地でβ溶血性を示します。

一般的には非病原性ですが、免疫不全やカテーテルなどのデバイス使用の場合に、医療関連感染として敗血症などを発症する場合があります。

また希に、毒素型食中毒の原因菌となることもあります。

 

先週、自分の顔(表皮)を滅菌綿棒で擦り、それを普通寒天培地にて37℃、48~72時間、好気培養したところBacillus属と思われるコロニーが見られました。

 

↓少し見づらいですが、赤い線で囲ったベタッとした乳白色のコロニーがそのコロニーです。

 

グラム染色をしてみると、

かなり見づらいとは思いますが、グラム陽性桿菌及び芽胞が見られました。

 

芽胞はグラム染色では染まりにくいため色が抜け、背景のグラム不定のものも含めてBacillus属と推定しました。

グラム染色で陰性に染まったり、芽胞だけの状態や、栄養型の菌体が混在していて、とても美しい標本となりました。

芽胞を染め分ける場合は、メラー法やウィルツ法などの特殊染色を用いると染めることが出来ます。

 

因みに他のコロニーを調べたところ、菌種はCNSでした。

 

写真に関して、もっと高画質のものが見たければ放課後にでも声を掛けて下さい。

何時間でも見せてあげます。

 

皆さんもBacillus属みたいに強く芽胞を持ったかの様な芯の通った人間に成長出来ることを期待しております。

 

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