加藤です。
1年生の生理学実習で“2点識別域値”を実習しています。
指尖や頬、背中や大腿部など10個所をノギスを使って探ります。
少しずつノギスの間隔を広げていき、‘2点と感じた’ 距離が域値です。
‘2点と感じた’ ・・・感じた点を数値化する!?・・・数字ってまことしやかに見えるけど・・・
ヒトの感覚の何と曖昧なこと!!
結果が首尾良くいかなかった学生さん、当て方が一貫しなかった、集中力がなかった等々、
しきりに言い訳いえ考察してますよねぇ(>_<)
それほど “感覚を測る” ことは難しい(>_<)
さて、来年の新1年生からカリキュラムに “味覚検査” が導入されます。
ステンレス製のプローブを当て、微弱な電流を流して ‘域値’ を求めます。
当てる部位は3つで左右の6か所。舌先と舌の奥のぶつぶつ、口蓋垂(のどちんこ)。
舌先はどうにか検査できても、舌奥や口蓋垂に金属棒を当てるだけで嘔吐反射が強くて感覚域値どころではありません。
舌先は顔面神経のうちの鼓索神経支配、舌の奥のぶつぶつ(有郭乳頭)は舌咽神経支配、口蓋垂は顔面神経のうちの大錐体神経支配と、支配する脳神経が異なります。
それぞれの域値から味覚障害を評価しますが、味覚の有り無しに止まらず、労災認定や神経障害局在診断の一助として判定されます。
その ‘域値’ は ‘感覚’ で測ったものなのに・・・。(>_<)
ピリッと感じた?、金属をかじった?、あまじょっぱい?、酸っぱい感じ?等々・・・感じ方は十人十色。
ヒトの感覚の曖昧なこと!!
“感覚を測る” 結果に責任を持つ重さ、方法は簡単でも難しい検査です。