加藤です。
先週の土曜日(6/14)に歌舞伎を観劇してきました。(*^_^*)
演目は、"ぢいさん、ばあさん"。
そんな歌舞伎があるのかと思いますよね。
ぢいさんは中村橋之助さん、ばあさんは中村扇雀さんと豪華な顔合わせ!
さらに豪華なのは作者がなんと・・・
"舞姫"や"山椒大夫"で有名な・・・森鴎外です!
鴎外さんはこんなお顔。
もう一つの顔は・・・
本名・森林太郎、陸軍の軍医さんでした。
海軍の軍医さんは髙橋兼寛さん。
当時、脚気は原因がわからずに命を落とす兵隊さんが多く、その対処法が陸軍、海軍で全く異なりました。
陸軍の森派は白米のご飯、海軍の髙橋派は麦飯。
陸軍森派はバッタバッタと病に倒れ、海軍髙橋派は脚気も治り無事帰還したそうな。
皆さんは脚気の原因はビタミンB1不足であることはご存じですよね?
当時、陸軍森派は細菌説に則って、滋養のために白米を食べ放題に。
一方、海軍髙橋派は欧米諸国に脚気がなく、日本だけ罹患者が多い・・・違いは主食の米では・・・と麦飯に。
白米でなく玄米だったらと後生の私たちは思いますが。
森林太郎陸軍軍医総監も髙橋兼寬海軍軍医総監も、脚気の原因がビタミンB1欠乏症であることを知らずに亡くなりました。
森鴎外は文学作品を、髙橋兼寬は慈恵会医科大学を残して・・・
さて、冒頭のぢいさんばあさんですが、江戸版"幸せの黄色いハンカチ"的な永遠の夫婦の情を描いた作品です。
興味を持った方は、読んでみて下さい。
医学概論のようなお話でした。