Sです。
突然ですが、マイクロピペットという物をご存じでしょうか?
学生の皆さんは何度か実習で使っているので、どんな物かは知っている事と思います。
では使い方についてはどうでしょうか?
実はマイクロピペットは、ガラスピペットに比べて容量が変化する要因が多く、また微量な容量を扱うことが多いため、特に正しい使い方が必要となってきます。
Ⅰ.フォワード法 / 一般的なピペッティング方法
・bufferや薄い酸・アルカリ溶液などの水溶液
- プッシュボタンを1段階目まで押す(①)。
- チップ先端をSample液面に1cm程度浸し、ゆっくりとプッシュボタンを放し(②)、Sampleを吸い上げる。
- プッシュボタンを1段階目まで押し、続けて2段階目まで押し、チップ内部のSampleを全て分注する(③)。
- プッシュボタンを放し、初期ポジションに戻す(④)。
Ⅱ. リバース法 / 粘性の高い液体や、泡立たせたくない場合にお勧め
・グリセロールのように粘度の高い液体や、界面活性剤のように泡立ちやすい液体
- プッシュボタンを2段目まで押し込む(①)。
- チップ先端をSample液面に1cm程度浸し、ゆっくりとプッシュボタンを放し(②)、Sampleを吸い上げる。
- プッシュボタンを1段目まで押し込み、Sampleを分注する(③)。チップ先端に少量のSampleが残るが、これは分注しない。
- チップ内部に残ったSampleは、チップごと廃棄するか元のSample容器に戻す(④)。
- プッシュボタンを放し、初期ポジションに戻す(⑤)。
実際にはこのほかにもいくつか方法があり、また、細かいテクニックもありますが今日は一般的な2つの方法をご紹介しました。
正しい使い方をしなければ、正しい値は得られません。今回はほんの1例ですが、学生の皆さんは特に正しい道具の使い方を意識しながら、実習に臨むと良いのではないでしょうか。