暦の上では立冬を過ぎました。
冬の始まりを感じさせるように木々はすでに色づき、秋もずいぶんと深まってきました。
そして、1年生の実習も、ずいぶんと内容が深まってきました。例えば、先週実施された「微生物学実習」では、リゾチームによる溶菌現象について学びました。
リゾチームは細菌の細胞壁を分解する酵素で、私たちの体内で作られ、涙、唾液、汗などに混ざって体表面を被い、細菌感染から生体を守る働きをしています。
実習では、Micrococcus lysodeikticusという菌体を用いてリゾチームの溶菌活性を15秒おきに測定しました。この実習を成功に導くにはチームワークが肝心です。
さて、みんなうまくチームワークを発揮できたでしょうか?
反応液を作って混ぜる人、時間を計る人、吸光度を読み取り記録する人と、それぞれに役割分担をして測定します。
分光光度計を囲んだチームが、ここでもそこでもあそこでも、リゾチーム活性を測定しています。
測定が終わったらリゾチーム濃度あたりの溶菌活性をグラフにプロットし、検量線を引きます。そして、グラフから自分たちの体液中に含まれるリゾチーム活性を算出しました。
その結果、Oくんの涙には、およそ180μg/mlに相当するリゾチームが含まれていることが判明し、普段はもっぱら別の理由で使われている涙が、実は重要な生体防御因子だということが確認できました。
Oくん、頑張って泣いてくれてアリガトウ !! 涙を提供するのも立派なチームワークでしたね!