臨床化学実習~血糖検査(その2) 2025.05.07 授業 Wです。 前回の続きから、< >は専門用語なので高校生は飛ばして読んで下さい。 血糖(グルコース)の測定原理<GOD・POD法(キノン色素呈色反応)> についてご紹介します。GOD(グルコースオキシダーゼ)はその基質特異性により グルコースのみを酸化してH2O2を生成します。 血液検体は多成分混合系(糖質・タンパク質・酵素・脂質などが混在)です。 酵素を試薬として用いることで血中共存物質の影響を受けずにグルコースのみを 選択的に測定できます<酵素的測定法>。 実習では発色試薬による酵素反応(37℃×5分)終了後<終点分析法>に グルコースから生成される赤色キノン色素濃度を分光光度計を用いて吸光度 (Abs : Absorbance)として検出しました<分光光度分析法>。 <Lambert-Beerの法則>により色素濃度と吸光度は比例するので 濃度既知の標準液と比較することにより未知濃度検体の定量<相対分析法>ができます。 ●左から 試薬盲検/標準液[100~500mg/dL]/検体(測定対象・未知濃度) の呈色反応、色素濃度を肉眼比色はできないので分光光度計で吸光度を測定 ●分光光度計 と セル 試薬盲検(透明)を対照にグルコース標準液(赤色)の吸光度を測定 なお、<波長スキャン>により赤色キノン色素の最大吸収波長λmaxは 505nmであること、測定波長と一致していることを確認しました。 *赤色の余色は<色相環>により青緑色なので500nm前後と予測していた 人気ブログランキング