Wです。
タンパク質の測定を行いました。
①総タンパク(TP) Biuret法 <キレート比色法>
②アルブミン(ALB) BCG法 <色素結合法・pH指示薬のタンパク誤差を利用>
③A/G比 A/G=ALB/(TP-ALB) <TP=ALB+GLOBより計算>
病気になってもALBは減少(栄養不足)し、GLOBは増加(免疫増強)して
TPは変化しない場合もありますがA/G比を計算すると低値となります。
例えば 肝硬変症(合成低下)やネフローゼ症候群(尿中漏出)ではALB減少により低値、多発性骨髄腫(形質細胞の癌化により異常な抗体が産生)ではGLOB増加により低値となります。A/G比が増加するのは免疫不全症候群(免疫グロブリン欠損)です。
今回は試薬調製について紹介します。イオン交換水(5/15に紹介)を使用しました。
①アルブミン標準液 ヒト由来<HSA>は高価なためウシ由来<BSA>を使用
軽いのでかなり量があります。発砲させると変性するので気長に溶かします。
ビーカーの液面に薄く捲いて溶かすことを繰り返します。最後は標準液なので
メスフラスコでメスアップし、転倒混和して完成です。

②BCG呈色試薬のクエン酸緩衝液(pH4.2)
クエン酸とクエン酸Naを準備してpHメータ<イオン選択電極法>で
pHをモニタ-しながら両者を混合してpH4.2の緩衝液を調製しました。
pH指示薬のタンパク誤差を測定原理とするため正確なpHが求められます。

最後に検体と呈色反応の色調(検量線)を紹介します。
左から 検体①血漿(EDTA-2K加) ②血清 ③溶血血清
黄色透明は生体色素ビリルビンの色、溶血の赤は血色素ヘモグロビンの色

Biuret法の呈色

BCG法の呈色

血糖測定と同様に濃度既知の標準液で検量線を作成し、未知濃度検体の濃度を 求めました。 タンパク質の測定原理は酵素的測定法ではありませんよ。
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