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患者様の異常を病理医が診断できる状態にするために、
検体ごとに適切な検体処理を行うことが重要。 -
友人に恵まれ周囲の人に支えられた、
湘央学園での3年間はかけがえのないもの。 -
検体の先にいる患者様とそのご家族を思い、
細胞検査士として貢献したい。

患者様の異常を病理医が診断できる状態にするために、
検体ごとに適切な検体処理を行うことが重要。

病理検査室で仕事をしています。病理検査の業務は、組織診のための検体処理(切り出し、包埋、薄切、染色)と細胞診の検体処理及びスクリーニングです。また、年間20件程度の病理解剖の介助も加わります。
患者様の異常を病理医が診断できる状態にするために、検体ごとに適切な検体処理を行うことが病理検査における技師の重要な仕事です。また細胞診では細胞検査士という認定資格を有する臨床検査技師が従事し、スクリーニングを行っています。
切り出し業務は、内視鏡や手術などで採取された検体を5mm大ほどにして、専用のカセットに入る大きさに切る作業です。これを専用の機械に入れて各有機溶媒で処理したのちにパラフィン(ろう)を検体に浸透させます。次に行うのが包埋です。検体をパラフィンの中に完全に閉じ込めてブロックにします。この工程まで行ったら次は薄切です。薄切は検体を光学顕微鏡で観察するために重要です(光が透過する厚さにする)。薄切ではミクロトームという専用の器具を使って、ろうに閉じ込めた状態の検体を3μm(1mmの3/1000)の厚さに切ります。ここで薄切したものは切片と呼ばれます。この切片をスライドガラス上にのせます。スライドガラスにのせた切片はこの状態では無色であるため、顕微鏡で観察することができません。そこで染色を行います。基本的な染色はHE染色(ヘマトキシリンエオジン染色)という染色で、核が紫、細胞質がピンクに染められます。染色を行うことで顕微鏡での観察が可能になります。
友人に恵まれ周囲の人に支えられた、
湘央学園での3年間はかけがえのないもの。
湘央学園での3年間は、友人に恵まれ楽しく過ごすことができました。小テストや定期試験の前にはわからないところを教えあって、助けあいました。また、休み時間や放課後にみんなで遊んだこともいい思い出です。毎日の勉強は大変なこともたくさんありましたが、楽しく過ごすことができたからこそ今の自分があると思っています。
最終学年である3年次は、病院での臨地実習・就職試験・国家試験という3つの難関があり、本当に忙しい1年でしたが、1・2年次での学びや周囲の方々に支えられ、やりきることができました。この先のほとんどのことは乗り越えていけると思うほど、濃い時間を過ごすことができました。
大学と比較すると行事や時間はないけれど、努力した時間を含め、湘央での3年間は自分にとってかけがえのないものになっています。
検体の先にいる患者様とそのご家族を思い、
細胞検査士として貢献したい。

病理検査では直接的に患者様と関わることはありませんが、だからこそ、検体の先にいる患者様とそのご家族のことを思い検体処理を行うように心掛けています。
基本的に病理検査は痛みなどを伴う侵襲性のある検査ですから、患者様から何回も検体を採取し直すということは困難です。小さな検体であっても得られた検体で標本作成をしなければならないため、とても集中力を使います。また、標本作成に伴う技術的な部分の習得は大変です。
しかし、私は病理検査という仕事がとても好きです。標本作成過程には様々な技術があります。さらに、たくさんの幅広い知識を必要とします。だからこそ、やりがいに感じています。そんな病理検査を通して、患者様の診断・治療に貢献できるということは私にとって何よりの魅力です。
現在の目標は、まずはルーチン業務を正確にできるようにすることです。そして、来年には認定資格である細胞検査士の資格試験を受けたいと思っています。難しい試験であると言われていますが、仕事と同時並行で精一杯努力して必ず合格したいと思います。細胞検査士として細胞診検査に従事し、患者様に貢献することが将来の目標です。