教員からのアドバイス

現在の医療は、チーム医療が基本です。医師を中心に、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、栄養士、リハビリテーション職員（理学療法士・作業療法士等）、医療事務職など、各専門医療職が一丸となって患者様の診断・治療にあたります。そして、質の高い診療の維持は、チーム医療を構成するすべてのメンバーの技量にかかっています。臨床検査技師は、身体の機能や細胞・組織などに異常がないかを検査し、その患者様のデータを医師に提供するのが役割です。その役割を通じて、チーム医療に積極的に参加して患者様をバックアップすることが、臨床検査技師の仕事の魅力と言えます。

気持ちの面では、何のために臨床検査技師を志望したのかという初心を保って、目的に向かう姿勢を常に忘れないこと、ぶれない心が必要だと思います。医療に関連する教科は、高校までは学習する機会がありません。入学後のスタートラインは全員一緒です。万一、出遅れたとしても自力で取り返すことも可能です。ただし、取り組み方を間違えるといくらがんばっても結果に成らないこともあります。そんな時には、われわれ教員を頼って欲しいと思います。臨床検査技師国家試験は甘くはありませんから、コツコツと勉強することを心がけて、毎日決まった時間に復習するなど勉強にあてる時間を作ってください。人生の一コマに国家試験勉強のページを設ける努力を惜しまないでください。

私は常にプラス思考です。人生、いい時もあれば悪い時もありますが、バランスがあうように設定されていると勝手に解釈しています。何かがうまくいかないときは、一方向からしかものごとを考えられなくなっていることが多いと思います。そうした自分に早く気づき、他方面から見るとどんな景色に映るのか、冷静にかつ時間をかけて考えることで解決方法が見いだせると考えます。スランプや失敗から立ち上がる姿は、誰もが素晴らしいと思います。

学生のやる気を引き出すことに重点を置いています。専門学校という環境を十分に活かし、オンとオフを使い分け、湘央学園の伝統（元気が一番）を引き出すことにこだわっています。1年生は医療職の入り口、2年生になると専門教育、3年生は立派な医療人に成長。このような青写真を描いた上で、授業に反映する工夫をしています。

卒業していった学生すべてに当てはまることですが、社会の荒波を経験することによって顔つきが「医療人」「臨床検査技師」として、堂々たるものに変わります。多くの卒業生が、臨床検査技術学科の同窓会員として、神奈川県内で大活躍しています。特に、ストレートに進級できなかった卒業生が、技師長クラスとして活躍していることを知ることも少なくなく、感慨深いです。

「好きだから」「やりたかったから」「楽しそうだったから」行動の理由はそれで充分、動機がシンプルなほどエネルギーは強い、ぐちゃぐちゃ細かい理由などいらない、必要なのは勇気ではなく「覚悟」、決めてしまえばすべては動き始める。目的は臨床検査技師国家資格取得だけでなく、医療人を目指しましょう。

ひと言で表現すれば、学生と教職員の距離が近い、アットホームな教育・サポートが特長です。そして、これは在学中だけに限りません。入試に合格された方には、入学準備のための通信添削が開始されますが、返送された課題には教員がコメントやアドバイスを書き入れて返却するようにしています。化学や生物といった科目を高校ではあまり選択していなかった方でも、心配なく入学後の専門科目の履修につながるようバックアップしています。