先輩メッセージ(卒業生VOICE)
臨床検査技術学科 Medical Technology
細胞検査士として
細胞診検査に従事し、
患者様に
貢献することが
将来の目標。
検査部 病理検査担当
加藤 大さん臨床検査技術学科 2020年卒業
患者様の異常を病理医が
診断できる状態にするために、
検体ごとに適切な
検体処理を行うことが重要。
病理検査室で仕事をしています。病理検査の業務は、組織診のための検体処理(切り出し、包埋、薄切、染色)と細胞診の検体処理及びスクリーニングです。また、年間20件程度の病理解剖の介助も加わります。
患者様の異常を病理医が診断できる状態にするために、検体ごとに適切な検体処理を行うことが病理検査における技師の重要な仕事です。また細胞診では細胞検査士という認定資格を有する臨床検査技師が従事し、スクリーニングを行っています。
切り出し業務は、内視鏡や手術などで採取された検体を5mm大ほどにして、専用のカセットに入る大きさに切る作業です。これを専用の機械に入れて各有機溶媒で処理したのちにパラフィン(ろう)を検体に浸透させます。次に行うのが包埋です。検体をパラフィンの中に完全に閉じ込めてブロックにします。この工程まで行ったら次は薄切です。薄切は検体を光学顕微鏡で観察するために重要です(光が透過する厚さにする)。薄切ではミクロトームという専用の器具を使って、ろうに閉じ込めた状態の検体を3μm(1mmの3/1000)の厚さに切ります。ここで薄切したものは切片と呼ばれます。この切片をスライドガラス上にのせます。スライドガラスにのせた切片はこの状態では無色であるため、顕微鏡で観察することができません。そこで染色を行います。基本的な染色はHE染色(ヘマトキシリンエオジン染色)という染色で、核が紫、細胞質がピンクに染められます。染色を行うことで顕微鏡での観察が可能になります。
友人に恵まれ
周囲の人に支えられた、
湘央学園での3年間は
かけがえのないもの。
湘央学園での3年間は、友人に恵まれ楽しく過ごすことができました。小テストや定期試験の前にはわからないところを教えあって、助けあいました。また、休み時間や放課後にみんなで遊んだこともいい思い出です。毎日の勉強は大変なこともたくさんありましたが、楽しく過ごすことができたからこそ今の自分があると思っています。
最終学年である3年次は、病院での臨地実習・就職試験・国家試験という3つの難関があり、本当に忙しい1年でしたが、1・2年次での学びや周囲の方々に支えられ、やりきることができました。この先のほとんどのことは乗り越えていけると思うほど、濃い時間を過ごすことができました。
大学と比較すると行事や時間はないけれど、努力した時間を含め、湘央での3年間は自分にとってかけがえのないものになっています。
検体の先にいる
患者様とそのご家族を思い、
細胞検査士として
貢献したい。
病理検査では直接的に患者様と関わることはありませんが、だからこそ、検体の先にいる患者様とそのご家族のことを思い検体処理を行うように心掛けています。
基本的に病理検査は痛みなどを伴う侵襲性のある検査ですから、患者様から何回も検体を採取し直すということは困難です。小さな検体であっても得られた検体で標本作成をしなければならないため、とても集中力を使います。また、標本作成に伴う技術的な部分の習得は大変です。
しかし、私は病理検査という仕事がとても好きです。標本作成過程には様々な技術があります。さらに、たくさんの幅広い知識を必要とします。だからこそ、やりがいに感じています。そんな病理検査を通して、患者様の診断・治療に貢献できるということは私にとって何よりの魅力です。
現在の目標は、まずはルーチン業務を正確にできるようにすることです。そして、来年には認定資格である細胞検査士の資格試験を受けたいと思っています。難しい試験であると言われていますが、仕事と同時並行で精一杯努力して必ず合格したいと思います。細胞検査士として細胞診検査に従事し、患者様に貢献することが将来の目標です。
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8 : 30
始業、検体の受付及びその他準備
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9 : 00
切り出し及び医師の切り出しの介助
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12 : 00
昼休憩
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12 : 45
染色
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15 : 00
切り出しのPC処理及び明日に向けた処理、手術検体の受け取り
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17 :00
終業
※業務内容はローテーションのため、上記は切り出し担当の日の例です。
Q1 臨床検査技師を目指すために、専門学校へ進学したのはどうしてですか?
臨床検査技師を目指すにあたり、大学に進学するか、専門学校に進学するか悩みました。そんなとき、臨床検査技師は技術職だから学歴よりも実務経験が重要だという話を聞きました。そのため、一年早く卒業することができて、臨床検査技師の資格が取得できる専門学校に行くことを決めました。
Q2 湘央学園に入学した決め手は何ですか?
一つは神奈川県内での就職に非常に強いという点です。昔からある学校であることから卒業生も多く、神奈川県内ならどこの病院にも先輩がいると聞いて、就職後も安心だと思いました。もう一つは放送大学と連携協力を結んでいる点です。学校に通いながらのダブルスクールの他、卒業後に働きながら学士取得を目指しやすく、臨床検査技師としてスキルアップを望んだ時に選択の幅が広がることに魅力を感じました。
Q3 湘央学園の3年間はどんな学生生活でしたか?
今までで最も濃く、大変だった3年間。しかし、自分にとってかけがえのない3年間でした。課題や小テスト、定期試験と3年間の勉強は大変でしたが、そんな時は友人たちとわからないところをお互いに教えあい乗り越えました。休み時間や定期試験の後には、みんなと遊んで楽しく過ごしたのもいい思い出です。湘央でのクラスメイトは、同じ目標を持つ仲間です。先生方を含め、学校全体が一丸となって臨床検査技師国家試験合格を目標に頑張ることができました。3年間の楽しかったことも大変だったことも、すべてが今の自分の支えになっています。
Q4 国家試験に合格するためにどれくらい勉強しましたか?
重要な科目や難しい科目については小テストがありましたが、小テストで必ず8割以上正解することを目標に準備しました。定期試験に関しては1か月前からは準備を始めるようにしていました。あらかじめ計画を立てて、事前に決めた1日のノルマを達成することを自分に課しました。具体的には自分でまとめを作成して、定期試験の1週間前からは覚える作業に取り組みました。
Q5 就職活動で苦労したことはありますか?
小論文と面接の準備が大変でしたが、キャリア支援室職員の方や先生方に小論文の添削や模擬面接などを行っていただき対策をしました。面接に関しては家族にも協力してもらいました。迷ったらまずは周囲の人に相談してみることが大切だと感じました。
Q6 最後に後輩へのメッセージをお願いします。
臨床検査技師の仕事は、とてもやりがいがあり楽しいです。勉強は大変だと思いますが、どうして臨床検査技師になりたいのかという気持ちを忘れずに、目指し続けてもらいたいです。勉強は量より質とよく言われますが、1,2年次は時間があるので、迷ったらまずは量をやることが大切だと思います。臨床検査技師の仕事の幅は広いので、きっと自分にあう分野というのが勉強や実習を通じて見つかると思います。少し苦手だなと思うものがあっても、臨床検査技師という仕事に希望をもって頑張って欲しいです。臨床検査技師として一緒に働けるのを楽しみにしています。