教員からのアドバイス

応用生物科学科 Biotechnology

学生と教員、先輩と後輩、
同級生同士
成長のためにそれぞれの
コミュニケーションを
重視しています。

応用生物科学科
花輪 俊宏先生

INTERVIEW

Q1 応用生物科学科はどういう学科ですか?

企業や公的機関の研究所等で、研究補助職や検査職などの技術者として働くことのできる人材を育成するコースです。研究というのは研究者だけでは成り立たず、技術者の存在が欠かせません。理論をもとにどう研究を組み立てていくのか、実験の方向性を示すプランナーのような立場が研究者です。その方向性をもとに、実際に実験を組んで、実験を1つ1つ積み上げていく、データを蓄積していくのが技術者です。その技術者を養成するのが応用生物科学科です。

Q2 バイオ技術者の仕事の魅力は何ですか?

生物の持っている特性を利用する技術がバイオテクノロジーですが、医薬品、医療、化粧品、環境、農業、エネルギー等、バイオテクノロジーが利用されている分野はとても幅広いです。しかし、すべてに共通していることは「地球や生命にやさしいテクノロジー」だということ。培った技術をさまざまな分野で地球や生命にやさしい形で発揮することができるところが、バイオ技術者の仕事の魅力です。
また、ある研究所の所長さんのお話ですが、「技術者が日々コツコツと実験を積み重ねている中で大切なことに気づき、それが大きな発見につながる」なんてことも多いそうです。ちょっとした変化も見逃さない目が育っていれば、大発見にもつながるかもしれないということなんですね。そんなところも実験を仕事にするおもしろみの1つです。

Q3 バイオ技術者になるために身につけなければならないポイントを教えてください。

原理・理論をしっかり理解するということ。機器の使い方を覚えることは基本ですが、大切なのは原理・理論を知った上で実験を行うことです。考えて、工夫して、作業する。そのための知恵を身につけることが重要です。
本校の機器には、学生に扱わせないものは1つもありません。学生たちは試行錯誤しながら道具を使うという状況も多々あります。考えるトレーニングを大切にしているので、それも当然のことです。マニュアルを渡されてそのままやるというのであれば、仕事のやりがいやおもしろみは生まれないと思います。技術者がやっていることは一見単純に見えるかもしれませんが、きちんと理論や自分の考えに基づいて作業することで、結果的に確かな技術につながるのだと思うのです。それがおそらく技術者の腕の見せどころということになるのでしょう。

Q4 湘央学園の指導の特長はどういうところですか?

以前に比べると、技術者に求められるレベルが上がってきているように感じます。そのため、本校の教育では、講義で幅広い知識を身につけ、実習でその知識を応用し、高いレベルのスキルが身につくように指導することを心がけています。
就職にあたっては、それぞれの学生の個性やニーズに合ったオーダーメイドの就職指導を行っています。そのため、就職後の離職率が低くなっており、その点がアピールできることの1つです。就職先は民間企業が中心となりますが、その他では公的機関、大学研究室等があります。

Q5 先生が普段授業される中でこだわっていることは何ですか?

各学年だけで固まらないで、1年生、2年生の交流というのを積極的に持ちたいと考えています。先輩と後輩の交流の中で得られるものも結構あるんですよ。今やっていることは、実習で技術を学ぶときに担当を決めておいて、2年生が1年生を指導するということ。そうすると、縦だけでなく、2年生同士の横のコミュニケーションも密になり、情報交換するようになります。2年生に一定の権限を与えると、1年生に理解してもらえるように、こちらが求める以上の努力や工夫をしてくれます。受け持った後輩を育てようという責任感がわいてくるみたいですし、1年生としても、難しい技術がマスターできると、それが先輩に対する信頼につながるようです。
社会に出ると、いつか後輩ができるはずです。教える難しさ、どう工夫したら理解してもらえるかは、それぞれの個性によって違ってきます。その予備練習にもなると考えています。
本校の建学の精神は「生命を尊重する、人間性豊かな専門職業人の育成」です。「人間性豊かな」を実現するのは、教育でもとても難しい部分です。我々とのコミュニケーションの中で身につけるだけでなく、学生同士の交流の中で育まれるものも多いと思います。

Q6 応用生物科学科の卒業生は具体的にどういった仕事をしているのですか?

製薬の場合は、医薬品の種、シードなどと呼ばれる候補物質を見つけるといった、創薬(操薬)に関わるような実験をする技術者になったり、本当に効くのか、逆に副作用はどのくらいあるのかを調べたりする技術者になるのが一般的です。食品なら衛生検査を行ったり、医療なら再生医療に関わったり、植物なら組織培養の技術を使って品種改良などをしたり、環境であれば水質分析を行ったり。
バイオテクノロジーを利用している分野は幅広いですが、本校を卒業する段階では、どの分野でも対応できるスキルが身についています。あとは、それぞれの仕事に応じて自ら考え、適応していくという感じです。

資格試験必勝テキスト

『毒物劇物取扱者 合格教本』技術評論社 いろんな資格取得にトライさせます。バイオに直結する国家資格はないので関連資格ということになりますが、資格を取得することで、自信がついていくと思います。入学してすぐに毒物劇物取扱者試験を受けてもらいますが、その対策本を本校の竹尾と私で出していて、授業でも使っています。「クマのテキスト」として、書籍のレビューでも初学者を中心に高い評価を受けています。

高校生の皆さんへ

専門的なことは、入学後にしっかり勉強できます。化学が苦手だとしても、それを克服できるような指導を行っています。高校生の皆さんは、いろいろなことに目を向けて、やりたいことや興味を持てそうなことを広げる努力をしてください。視野を広く持つことは、将来仕事に就くときにもとても役立つと思います。

お問い合わせ
0467-77-1234 (代表)
e-mail:admission_office@sho-oh.ac.jp
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